ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会
ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会が2019年9月20日、開幕した。日本代表は予選リーグ4戦全勝で初の8強入りを果たす快挙を成し遂げたが、準々決勝で南アフリカ代表に敗れた。
1次リーグから快進撃を続けてきたラグビー日本。準々決勝で南アフリカに3-26で敗れ、過去最高成績となるベスト8でラグビーワールドカップ(W杯)日本大会を終えました。#RWC2019 #JPNvRSA #RWC東京https://t.co/3SWS7umjAS
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) October 20, 2019
ONE TEAM
ラグビー日本代表チーム
「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」の公式キャッチフレーズで始まったラグビーワールドカップ2019日本大会。日本代表チームは開幕戦ロシアに勝利すると、アイルランド、サモアそしてスコットランドを次々に撃破、予選プール4連勝で日本ラグビー史上初の決勝トーナメント進出を決めた。日本代表の快進撃と1個のボールを巧みに取り合う面白さは多くの人々を虜にした。テレビの視聴率はうなぎ上り、日本代表のレプリカジャージは完売、ラグビーを始める子どもたちも急増したという。その熱狂の源となった日本代表を率いるジェイミー・ジョセフヘッドコーチが掲げたテーマが「ONE TEAM」だ。ジョセフはチームに必要な選手たちを国籍問わず招集し、31人の代表選手を選んだ。どんな強豪チームでも選手たちの思い、心が一つにならなければチームとして機能しない。7カ国15人の海外出身選手を含む31人はリーチマイケル主将を中心に桜の戦士ONE TEAMとして結束し、快進撃を続けた。ONE TEAMは、世界に広がりつつある排外的な空気に対する明確なカウンターメッセージであると同時に、近い将来、移民を受け入れざるを得ない日本の在り方を示唆するものになった。それは安倍総理にもしっかり伝わったと信じたい。
私がラグビーをきちんと知るようになったきっかけは、今回の日本代表チームであり、前回の日本代表チームも今回のW杯日本代表チームも本当によく戦ったと思う。それまで私は、たまにはラグビーを見ることもあるという程度のものだったけれど、そんな私が後になって知ったラグビーの可能性にワクワクさせられたのは、イングランドのブライトンで行われた「その試合」だった。
あれは夢か現(うつつ)か幻か。2015年にイングランドで行なわれたラグビーワールドカップ。それまで7大会でたった1勝しかしていなかった日本代表が、初戦で優勝候補の南アフリカ代表に34-32で劇的な逆転勝利を収めた。ラグビー界の枠を越え、スポーツ界にも衝撃を与えたジャイアントキリング。「ブライトンの奇跡」とも言われた。
分かり切ったことを、と言われそうなのを承知で言うけれど、今大会で日本が見せた大躍進を「奇跡」と言うべきでない。大舞台でラグビー強豪国3カ国に次々勝利したら、それはもはや偶然でも奇跡でもない。立て続けにアイルランドとスコットランドを下すことで、日本チームは4年前の対南ア戦が決してまぐれではなかったことをも証明し、「ティア1(強豪国)」とか「ティア2」とかの概念を打ち砕いている。日本代表は私をラグビーファンに変えた。今大会、日本代表はラグビーを変えたと私は考えている。
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会
「これまでで最も素晴らしい大会」。2日に閉幕したラグビーワールドカップ(W杯)日本大会を、国際統括団体ワールドラグビーが高く評価した。
日本大会は、ラグビーの伝統国以外で開かれた初のW杯だった。
ワールドラグビー会長のサー・ビル・ボウモントは3日の記者会見で、「2019年日本大会はおそらく過去最高のラグビーW杯として記憶されるだろう」と賞賛した。
「最も画期的な大会」
さらに、「ラグビーになじみのなかった観客にアピールし、新たなファンを呼び込んだ点で、間違いなく最も画期的な大会だった」と述べた。
確かに今回の日本大会での日本代表の快進撃によりラグビー熱が加熱したことによる集客、動員数は物凄いことになっただろう。そして、日本のラグビーが日本の人にはもちろん、世界の人の目に留まりラグビーがより一層発展するかも知れないと言う面で今回の大会は大成功だったに違いない。
文部科学省は、ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で高まったラグビー人気を定着させ、競技者の裾野を広げようと、全国に練習場を整備する方針を固めました。 #ラグビーhttps://t.co/UqPdn4UTy5 pic.twitter.com/IonmyVq7yz
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) December 5, 2019
ラグビー熱
東日本に大きな被害をもたらした台風19号「ハギビス」の影響で、W杯で初めて1次リーグの3試合が中止になるなど、大会の運営には困難も生じた。
しかし、日本代表が1次リーグで強豪のアイルランドとスコットランドに勝ち、初の決勝トーナメントに進出。国内におけるラグビー熱は一気に高まった。
チケットほぼ完売
ワールドラグビーのまとめでは、試合があった各競技場の座席の販売率は99%に上り、チケットは計184万枚が売れた。
日本がスコットランドを破った試合では、国民の半数近い5480万人がテレビで観戦したとされる。
ワールドラグビーがオンラインで提供している大会の関連動画は、世界で計17億回再生されたという。
2大会分の開催地はまとめて選考
ボウモント氏は、2027年と2031年の開催地は同時発表することを表明した。
2015年のイングランドと2019年の東京を同時に発表した方法を起用する。「ラグビー伝統国」と「ラグビーの人気拡大が見込まれる国」との組み合わせを、再び検討しているとみられる。
次回の2023年大会はフランスで開催される。フランスは、アイルランドと南アフリカと争った末に開催地に選出され、2017年11月に発表された。
ワールドラグビーのブレット・ゴスパーCEOは、「2019年日本大会は、夢を見ようとする国のパワーを見せつけた」と話した。