そんなトイレにことあるごとに
すぐすぐ立つわたしを見て
ひちゃこはくすりと笑うだけで
特には、何も言わなかった。
トイレに行くわたしは笑ってくれることが
とてもありがたかった。
そうして、カフェでコーヒーと紅茶とケーキをつつき
出会った日のひちゃこへのランチのお返しを
できたわたしは
2人して雑談をしながらモール内を歩きながら
子供たちの話などで盛り上がっていた。
時間も夕方にさしかかり、
わたしも子ども達のことが気になり始めた頃
ついつい、わたしの方から『まだ、大丈夫？』
などと聞いてしまったのだ。
すぐさま後悔したわたしだっだが、
ひちゃこはいつものように落ち着いて
『もう少しだけ』とわたしに言った。
その後、大した時間を取れたわけでもなかったのだが
そのモールでの時間は2人の仲をよく深める
きっかけの時間となった。
私たちはカフェを出た後、そのまま近い距離感を保ちながら、手が触れるか触れないかギリギリの距離の中で歩き、
画材を見たり、ノートを選んだりした。
ひちゃこも絵を描くのが好きらしい。
そして、ひちゃこがノートを2冊選んでレジから帰ったその瞬間、わたしは公共の場でふざけてガバっとひちゃこの下半身に抱きついた！
すると、ひちゃこは何事もなかったかのように身を反転して『だーめ！』と言った。
その後、モールの一階まで辿り着いたわたし達は
ひちゃこのファミリーカーとわたしのコンパクトカーに別れて、おのおの自分達の子ども達の待つ家へと帰って行った。
帰りの車の中で受け取ったLINEには
『今日はありがとうね』
の言葉が送られていた。
私たちは、知り合っていろいろな話をした
本当にくだらない話から海外の話、子ども達の教育から、思想や考え方
普段の人に対してのあり方について。
例えば、LINE風にその感じを
表し表現するならこんな感じだろう。
LINE
23:59 watashi ありがとう😊✨
00:00 ひちゃこ 気にしなくていいよ
00:00 watashi 冗談だよー
00:00 watashi 日本人ですので〜😆
00:00 ひちゃこ ❓️❓️
00:00 ひちゃこ 日本人❓️
00:01 watashi “おもてなししていただいた
ことには思いやりを持ってお返しいたします。”
00:02 watashi [スタンプ]
00:02 ひちゃこ あ、そういう事かー😆
00:02 watashi 😆笑笑
00:03 watashi “ひちゃこには随分
お世話になってるからねできる範囲しかできなくて
心苦しいけど
などとこんな風な会話だったかも知れない。
その韓国製のLINEの中で私たちは毎日、毎日さまざまに
話題を変えながら多くの情報交換をした。
そんな中、男の子、男子にとっては
1年のメインイベント
バレンタインデーの日がいよいよやってきた。
ひちゃこには、『バレンタインデーにはプレゼントするからね』
と前々から宣戦布告がなされていた。
わたしは恥ずかしながら以前から
その言葉が気になって気になって
落ち着かないでいた。
彼女は言葉通りバレンタインデーに
チョコのプレゼントを約束通りに
手作りチョコブラウニーをはじめ、
手作りクッキー、
名前が私には分からない美味しいスイーツの山々を
ファミリーセットの盛り合わせでわたしたちに
送ってくれた。
書道8段の彼女の手紙と共に。
とても嬉しく、美味しく、胃袋に優しい味だった。
そんな美味しいチョコの詰め合わせと共に
彼女がいう言葉は『友達だからね』
『友達だから義理堅い義理チョコ』
わたし…苦笑
そんなわたしにひちゃこは
微笑を浮かべながら
チョコのセットを作っていたに違いない
とわたしはその時確信した。
ホワイトデーが女性や女の子にとって
どんな日なのかは、わたしにはよく分からない。
なんだか、世の中の女の子はバレンタインデーに
チョコを渡すことに夢中で渡すことが目的で
ホワイトデーを貰うことまでは覚えているのだろうか とさえ思うことが多々ある。
ちなみにだが、わたしは、いつもホワイトデーを
きちんと返す派だ。
私はひちゃこに義理堅いチョコを貰ったお返しに
悩む日々があった。
あんな豪華な義理堅いプレゼントに何を返すかが
わたしにとっての課題だった。
あれこれ悩み、ネットサーフィンしたり巡っては
考え抜いた挙句。
結果、わたしが選んだのは、
最初に会った時にわたしのランチの飲み物に
レモンティを持ってきた彼女に有名ブランドの紅茶と
習字にの才に際立つ彼女にブランドのペンを添えることにした。
彼女が喜んだかどうかは、また、後の話に
