“喫煙所がない”今時の社会課題を解決する新たな取り組みが始まる。

街に喫煙所がない
4月より全面施行された「改正健康増進法」によって、カフェやレストランを含む飲食店などの屋内での喫煙が原則禁止になりました。受動喫煙をなくすために施行されたものでありますが、街の喫煙所は続々と姿を消し、カフェや居酒屋でも禁煙になる店が増えたため、困った状態を生み出す結果となりました。

今、本当に外で安心してタバコを吸える場所やホッと一息コーヒーを飲みながらカフェでタバコを吸いながら過ごすなどという以前では当たり前だった行為が今では当たり前ではなくなってしまった世の中になってしまいましたね。

行き場をなくした喫煙者はどこで喫煙すればいいのか、非喫煙者に迷惑をかけないためにも。

うんまあルール無視は当然アカンのやけど。

公衆の喫煙所潰す→職場の喫煙所しかなくなる→コロナのせいで3密回避でそれも閉鎖

という連鎖コンボで逃げ場を完全に失った結果がこうなってるわけじゃよ。喫煙所自体がないんじゃよ。 https://t.co/0u3uhXDqvL

— ケルビン@斜壊人 (@legendkelbin) September 4, 2020

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「日本人は一体、どこで煙草を吸っているんですか?」

「改正健康増進法」では、望まない受動喫煙の防止を防ぐため、福祉・行政施設のほか、旅客運送事業船舶・鉄道、飲食店など屋内ではほぼ全面禁煙と定められました。施行にともない、全面禁煙となった飲食店がほとんどです。駅前、街にあった喫煙所も続々と撤去されていることから、“喫煙所難民”という新たな造語も生まれています。

問題を解決すべく、新たな喫煙所運営事業の一環として誕生したのが『THE TOBACCO』です。クリーンでゆったりとした屋内のデザインはまるでカフェのよう、これまでの喫煙所のイメージは完全に覆されています。

空気が驚くほど清潔。普通の屋内喫煙所は喫煙者からしても煙たく臭うものですが、空調がしっかり機能しており、流れる音楽が訪れる者の心をほぐします。利用は無料で、併設されたコーヒースタンドでは煙草やコーヒー、紅茶、ビールなどの飲料、オリジナルグッズなども販売されています。

喫煙者への風当たりは年々強くなり、規制も厳しくなる中で、なぜこのような喫煙所運営事業を始めたのか。株式会社コソドの山下氏は語ります。

「以前よりは減ったとはいえ、日本の喫煙人口は意外と多いです。調査によると2018年時点でおよそ1900万人が煙草を吸っています。これは日本人だけの問題ではなく、来日外国人のうち、上位10カ国の平均喫煙率は24%弱。『ラグビーワールドカップ』が開催された際には、外国人による競技場周辺の煙草のポイ捨てが問題になりました。これは、日本では屋外も禁煙の場所が多過ぎ、さらには喫煙所がどんどん撤去されていることが一因なのではないでしょうか」

「外国人から『日本人は一体、どこで煙草を吸っているんだ?』と質問を受けたことがあります。外国人からすれば、日本にはタバコは売っているのに吸う場所や吸っている日本人を見かけないという現象に陥ることでしょう。外国人喫煙者からすれば本当に戸惑いますよね。

今後、東京五輪が開催されれば、さらに多くの外国人が来日しますし、同時に喫煙者も増えますし。そんな状況で起こっている、需要と供給のミスマッチをなんとかしたいと思ったのです」

実際、海外では屋内禁煙の国は多々ありますが、屋外では吸えることが多いです。規制が厳しいと言われるシンガポールでさえ、いたるところにあるゴミ箱の上に灰皿が設置されています。以前、JTに話を聞いた際も、「日本は海外と比べても喫煙規制が厳しい」という見解でした。

現在では、喫煙所で吸いたくても喫煙所がないことから、路上喫煙やポイ捨てが急増。店の中では吸えないため、店外に出て吸う客の姿もよく見かけます。もちろん、「吸う場所がないなら我慢すれば良い」という指摘もありますが、厳しく規制したことにより、クリーンな世の中にしたい目的とは逆…つまり、マナーの悪さに拍車がかかるような状況になってしまったとも言えます。

ここ10年で、喫煙者は驚くほど嫌われるようになりました。マナーの悪い喫煙者もまだまだ多く、ポイ捨てや路上喫煙も減ってきたとはいえ、なくなっておらず、煙草が嫌いな方々の気持ちも理解はできます。

一昨年、喫煙所から戻ったら娘に臭い言われて即日タバコやめたんだけど。ニコチンが欲しくなることはないけど、執筆中どうにも口寂しいのが気になって色々試してる。
爪楊枝:まずい
ベイプ:悪くないけど喉が甘くなる。
おしゃぶり:……そうかこれが欲しかったのか……と頭を抱える。

— 榎宮祐 (@yuukamiya68) September 5, 2020

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喫煙所の設置に前向きな場所から開始、新型ウィルス防止にも配慮

現在、『THE TOBACCO』が設置されているのは、東京・神田と赤坂。需要が高いエリアということで選ばれました。

「30~50代の男性の約35%が喫煙者というデータの中で、その年齢層が多く通行するエリアを選びました。神田のある千代田区、赤坂のある港区は、喫煙規制が厳しい分、実は喫煙所の設置に対して前向き。助成金の補助もあり、このエリアからのスタートとなりました」

とはいえ、コロナ感染拡大が問題になっている今、密集地隊となる喫煙所に喫煙者が殺到し「クラスターが起こるのではないか」といった疑問も囁かれています。

「『THE TOBACCO』の特徴として、“有人”であることが挙げられます。スタッフが常駐しているので、確実な人数規制をかけることができます。また、給排気、空気清浄についても他の喫煙所とは異なる非常に高機能なマシンを設置しており、一時間に約40~50回、全容積の空気が入れ替わるオペレーションになっていて、入り口の扉も、可能な限り外部に煙や空気が漏れないよう設計してあります」
さらにいうと、この喫煙所運営事業は、単に喫煙者のためになるだけではなく、地域の活性も期待できるといいます。

「例えば、ビルの一階に喫煙所があると、その上の階にあるテナントの来客数が増えたという話があります。また商店街でも、人通りが少ない奥まった場所に喫煙所ができると、そこまで喫煙者が歩いていくため、周辺の店への来店きっかけが生まれます。喫煙所により人の流れが変わり、ビルや街の活性化の一助になる可能性があります。」

『THE TOBACCO』自体は無料で開放されていますが、収益化の見込みもあります。集まってくるのが30~50代の喫煙者男性とターゲットが絞られているだけに、動画広告の出稿、なんらかのサンプリングにも利用しやすいと思われます。
他にも、ビルやオフィス、飲食店への喫煙所の設置も想定しています。

「今、営業時間外の居酒屋を居抜きで借り、そこを我々の技術を駆使した喫煙所として使用するというプロジェクトもあります。居酒屋さんからは『収入に繋がるならランチ営業よりも良い』という声も聞かれます。一から喫煙所を作ったら膨大にかかる資金が節約できるため、まさにwin-winの関係だと思います」

喫煙者と非喫煙者に必要なことは?

喫煙がしにくくなった喫煙者には朗報といえる話しです。喫煙者と非喫煙者の共存はできるのか。山下氏は「非常に厳しい嫌煙家もいますが、非喫煙者の中にも喫煙に寛容な人も意外と多い」と話しています。

「要は、“住み分け”ができるだと思います。煙草が嫌いな人の中には、ポイ捨てなどのマナーの悪さを挙げる方も多いです、喫煙所があればポイ捨ては減ります。喫煙者に染み付いた匂いが苦手という人もいますが、『THE TOBACCO』の空気清浄のオペレーションがあれば、それも最小限にできます。非喫煙者にも優しい、デメリット改善の一助になると思うのです」

目指すのは、店舗数の増加です。「まず、山手線など主要駅の駅前に設置していきたい」と山下氏。今後、同様に民営の喫煙所がどんどん増えていくとみています。喫煙者の喫煙場所の確保やマナー改善、非喫煙者に迷惑をかけない住み分けのためにも、これらの動きが成功し、双方が理解し合える世の中になることを願います。

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