ある日のこと、 私達家族5人は鹿児島から車に乗って熊本のフェリーターミナルへ 向けてとりあえず出発した。
私達が鹿児島を出たのは遅かったのかもしれない。 特に行き先があるわけでも、予定があるわけでもない旅だった。
妻と私は、 ナビをイジりながら3人のチビ達を連れてワイワイと楽しく道中を 過ごしていた。
そうこうしながら、4時間、5時間と時間が経っていった。 その頃の私達はあまり熊本に詳しくもなく、距離感、 道にも詳しくなかった。 まさに行き当たりバッタリでのお気軽旅行だ。
夜も深くなり、もうだいぶ経っていた。 チビ達もご飯を食べてからは眠りかぶっている。時間は、 そうこうしている内にもう、夜中の3時近くだ。
そろそろどっかで休もう。とりあえず車中泊だ。 道の駅や休憩所を探す。すると、 後もう少し行った先に道の駅らしきものがあるではないか。
私は、眠い目を擦りながら道の駅を目指して運転する。 着いてみると、同じ考えの人達の車で道の駅は溢れかえっていた。
チビ達もさすがにキツそうだし、グズっているのか??「 とりあえずここにするか?」と決めて。場所を探す。 入り口付近は、車がいっぱいだ!!
あっちにいいとこがあるぞ。「あっちに行こうか??」 と何故か車も少ない。
とりあえず、もうちょい前、もうちょい向こうで、 良しこの辺りでと
ビー!ビビー!!と夜中なのに車の何台かよりクラクションの音。 なんだ?止んだね。クラクション。なんだ!なんだったんだろう? ?
とりあえず、夜中も夜中だったので私達はその場で眠りについた。 次の日の朝、カエルの泣く声で1番最初に目が覚めた私…
あっ!!!腰が引けた…
目の前には大きな崖
目の前は崖で、下を見るとガードレールも何もない断崖絶壁のギリ ギリで止まっているだけなのだ。
そんな、ギリギリのところで夜中何も見えなかった為、 一晩中寝ていたのだ。
ヤバ…イ!
と、とりあえずバックしないといけない。
まずは冷静にと考えた。 チビ達3人家族全員がこの車に乗っている。もし、 操作ミスでもして落ちたりでもしたら一貫の終わりだ。
とりあえず、 1人では抱えきれない助手席で寝ている妻を起こそう。 妻をチビ達を起こさないように静かに起こす。
起きた妻も絶句!!!
妻と一緒に「コレ今シフトをバックに入れるからね。入れたよね? 入ったね?サイドを落として、アクセル踏んだらバックするね?? 」と分かりきった事をダブルチェックで確認しながら、 やっとのことで普通の道に戻った私達。
そりゃあ、もう生きた心地がしなかった事この上ない。
今まで生きてきた中でも1番怖い体験でした。