私は、長崎にいた頃よく英会話スクールを拠点にして動いていた。
私は、 英会話教室にバイトを掛け持ちしながら英語を活かした仕事、 海外で動くことを夢見ていたのだ。
英会話スクールに通っていたのだが拠点にして動いていたというに は意味がある。
日中の仕事がない時には、 一日中でも入り浸って時間のある先生を見つけては会話していたの だ。お陰で私の英会話力は群を抜いて伸びた。
そんな折、「ケンゴ!今夜暇なら飲みに行かないか?!」 とスコットランドは元キックボクシングの先生という変わった経歴 を持つ先生が私を誘ってくれ何人かで飲みに行く事になった。
長崎は、異国情緒漂う街。 港のオシャレ飲み屋にも様々な国の人が集う。
場が盛り上がった頃、 私は近くで知り合いになった南米系の外国人とその頃流行っていた 格闘技の話しで盛り上がっていた。
ある1人の南米の女性が「私はカポエラを見たことがある、 やったこともある。見てみたいか??」と聞いてくるので、「 もちろん見てみたい」と答えた。
すると、その南米女性は、ヒラリヒラリと躍るように舞い始めた。 そして、 両手を板の床につき逆立ちをしようとした途端にしゃがみ込んで唸 り始めた。
「どうした??」と周り。どうやら、 板から出ていた板キレのトゲが手に刺さってしまったらしい…
私は、つい笑ってしまった!駆け寄った周り男性陣が私を睨んで「酷いな!」とか「 冷たい」など庇っていたが、 私からするとカポエラという格闘技を見せると仮にも豪語したのだ から、 トゲが刺さって痛いと泣くのはちょっとと笑ってしまっても勘弁願 いたかったのだ。
そんな私もせっかくカポエラを披露してくれた彼女に後には反省し たのだが懐かしい思い出の一つである。今なら、大丈夫ですか? と駆け寄るに違いないなと思う。